コルチゾール誘導体(Cortisol derivatives)
コルチゾン(Cortisone, CAS:53-06-5)は、副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)の一種で、医薬品として広く利用されています。
- 抗炎症作用
リウマチ性関節炎、変形性関節症などの関節炎
腱鞘炎、滑液包炎など局所的な炎症
関節内注射(いわゆる「コルチゾン注射」)としても用いられ、炎症・腫れ・痛みを短期的に抑える効果があります。
- アレルギー疾患
花粉症、喘息、皮膚炎などアレルギー反応の抑制
アナフィラキシー時の補助治療
- ホルモン補充療法
**副腎皮質機能低下症(アジソン病など)**で、体内で不足したコルチゾールの代替として投与
- その他
一部の自己免疫疾患(例:全身性エリテマトーデス)
臓器移植後の免疫抑制補助
Cortisoneをタンパク質に共有結合させた構造は下記のような用途があります。
- 免疫学的検出試薬(ハプテン–キャリア複合体)
コルチゾン自体は低分子(ステロイド)なので免疫原性が弱い。
そこで タンパク質(例:BSA、OVA、KLH)に共有結合させると、大きな抗原性を持つようになる。
この複合体を用いて抗体を作製し、ELISAやRIAによるコルチゾン測定に利用でき血中・尿中のステロイドホルモンの定量に重要。
- 薬物送達システム(Drug Delivery System, DDS)
タンパク質に共有結合させることで、薬物の血中滞留時間を延長したり、標的組織への集積を高める研究がある。
コルチゾンをタンパク質担体に固定化して、副作用を減らしつつ持続的に抗炎症作用を得る目的で検討されることがある。
- 結合様式・受容体相互作用研究
ステロイドがタンパク質と結合することによる影響を調べるモデルとして利用される。
例:グルココルチコイド受容体との相互作用や構造活性相関の研究。
- バイオセンサー材料
コルチゾンをタンパク質に結合 → 固相化 → センサー基盤に固定化→抗体や受容体との相互作用を検出するバイオセンサーを開発。
BSAやKLH、OVAなどがキャリアタンパクとして一般的に使われます。新成化学では各種キャリアタンパクへのハプテン固定化実績が豊富です。
Cortisone誘導体の設計は勿論、キャリアタンパクへの結合、後処理まで対応可能です。