グルクロン酸抱合体

グルクロン酸抱合体の合成法を確立しました。

グルクロン酸抱合体とは: グルクロン酸抱合体は、薬物代謝において重要な役割を果たす化合物です。肝臓における代謝反応によって、薬物や他の化合物がグルクロン酸と結合し、水溶性の代謝物であるグルクロン酸抱合体が生成されます。これにより、体内からの排泄が容易になり、薬物の毒性が軽減されます。

グルクロン酸抱合体は①O-エーテルグルクロニド、②N-グルクロニド、③S-グルクロニド、④C-グルクロニド、⑤O-アシルグルクロニド、⑥6-O-アシルグルクロニドなど様々な結合様式が存在します。

これら代謝産物分析のための標準品として需要があり数多くのご要望にお応えしてきました。
例えば①のパターンでは保護・活性化したグルクロン酸と基質(アグリコン)を反応させ、脱保護すれば目的物が出来るのですが基質が変わると最適な反応条件、精製条件が大きく異なることが多く、合成のルーチン化は困難です。
安定性に不安のある構造も時々出ますし、対処法もケースバイケースでその都度考えねばなりません。

もう一つの注意点は異性体や立体構造についてです。グルクロン酸一位炭素のβ体が天然型ですが、合成手法では一部反転してα体が出来る可能性があります。この場合、同じ分子量のピークが2本に分かれる場合、1本に見える場合があります。 α/βとは別に安定な複数の立体構造(例えば椅子型、船型)が存在して2本以上のシグナルに分かれる可能性もあります。 これらの構造を解析して特定することは可能と思われますが高額な分析費用がかかる可能性がありますので個別に相談させてください。天然型の標品を微量ご提供頂けるようでしたらそれと重なる位置のピーク成分を単離することが可能ですので是非ご協力ください。

新成化学では多種の基質から出発する合成法の最適化実績を積み上げてきており、新規合成においても比較的短時間に目的の抱合体を合成できるノウハウを蓄積してきました。
①~③は弊社で合成実績があります。合成経験はありませんが④にも積極対応します。
各種グルクロン酸抱合体以外にグルコース抱合体、グルタチオン抱合体、硫酸抱合体も合成実績があります。
お手持ちのアグリコンを100㎎程度ご提供頂ければ更に話が早いです。
一覧にない化合物でも同じような価格でご提供するキャンペーン実施中です。
どうかお気軽にお問い合わせください。


グルクロン酸抱合体の立体構造について

天然型はUDP-α-グルクロン酸にアグリコンが攻撃して出来上がるβ体選択的であると言われています。

化学合成法においてはラセミではなくβ体の構造式を記載した文献が多くβ体が主成分と思われます。
一方でそれを詳細に論じた文献も少ないですし、最終構造は安定としても化学反応の過程で一部反転が起こっても不思議はない構造です。


α/βだけでなくグルクロン酸の置換基(アグリコンの種類)次第で5員環やリニア構造で安定化する場合もあるようです。
(ラクトンで安定化するケースもあるようですが分子量が変わりますのでLC-MSで容易に確認できます)
実際、弊社のこれまでの経験では同じMSスペクトルの2本またはそれ以上のピークに分かれることが多いです。天然物由来の抱合体も複数ピークに分かれることが多いと複数のお客様から伺っています。
それぞれの成分を単離してNMR分析することで正しい立体構造を特定出来る可能性がありますがその構造解析に要する時間と費用を考え、弊社では
・立体構造につきましては保証外とさせていただいています。
・目的物を支持する同一MSスペクトル成分の混合物または最大ピーク成分の提出とさせていただき、各ピークの単離、NMR分析等の構造解析は別途とさせていただきます。
・複数ピーク成分が弊社でそれぞれ分離できている場合、追加費用で全成分提出に対応させて頂きます。
・アグリコンの構造に起因する分解や副生物は保証外とさせて頂き、副反応防止法の検討や構造確認等は別途ご相談です。
・天然型の標品を微量ご提供頂けるようでしたら弊社合成品との比較データの提出(無償)及びリテンションタイムが一致する成分の単離(原則有償でご相談)に対応させて頂きます。

 
SCHEM No. Structure Compound Name Price (JPY) Purity Stock(mg)
08895

Estron glucuronide

64,200/0.4mg>95%0
08879

Estradiol 17-O-glucuronide

64,200/0.4mg>95%0.8
08717

Diethyl stilbestrol glucuromide

65,000/0.2mg>95%2.4
08716

Dienestrol glucuronide

95,000/0.2mg>90%2.1
07594

2,4,5-Trichlorophenol 1-glucuronide

65,000 / 1mg>90%5.8
07580

4-Chlorophenol 1-glucuronide

63,600/0.7mg>90%1.9
07547

2,3,4,5-Tetrachloro-2-methoxy 1-glucuronide

64,800/0.7mg>90%0
07543

4-Bromophenol 1-glucuronide

65,000/1mg>90%3.1
07111

2,4,6-Trichlorophenyl-1-glucuronide

67,100/2.5mg>90%0
07110

2,4,6-Trichlorophenyl-2,3,4-triacetyl-1-glucuronide methyl ester

69,600/5mg>90%0
05848

5-phenyl-isoxazol-3-ol glucuronide

65,000/1mg>90%3.6
05839

2,4-Dichlorophenol glucuronide

65,000/1mg>90%7.0
05293

Chloramphenicol 3-O-beta-D-Glucuronide

40,000/1mg>90%2.7


②O-アシルグルクロニド

SCHEM No. Structure Compound Name Price (JPY) Purity Stock(mg)
05767

Valproic acid acyl glucuronide

65,000/1mg>90%47.0
05758

(S)-Naproxen Acylglucuronide

65,000/2mg>90%114.0
05757

ibuprofen acyl glucuronide

65,000/1mg>90%102.0
05756

Mefenamic acid acyl glucuronide

65,000/1mg>90%86.0
05755

Diclofenac acyl glucuronide

65,000/1mg>90%20.0


③N-グルクロニド


SCHEM No. Structure Compound Name Price (JPY) Purity Stock(mg)
08693

7-Amino-4-methylcoumarin glucuronide

81,600/0.4mg>90%555.2
08686

4-Nitroaniline glucose conjugate

67,100/2.5mg>95%120.7
08674

4-Nitroaniline glucuronide

64,800/0.7mg>90%117.0
07643

2-methylimidazole glucuronide

64,800/0.7mg>80%1.6
07639

2-nitroidazole glucuronide

65,000/1mg>90%3.7
07633

2-n-butylimidazole glucuronide

64,200/0.4mg>90%9.5
06899

Dexmedetomidine glucuronide

65,000/1mg>90%1.4

リスト以外の構造にも対応可能ですのでお気軽にお問い合わせください。置換基が異なるだけの構造であれば合成法が確立済みのため原料入手後1~2週間程度、同レベル価格帯で合成が可能です。

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