目標純度が見積価格に影響します。
弊社では特にご指定がない場合面積比95%以上(詳細下記)でご提示致しますが、それよりも低純度でご使用に問題ないようでしたら5%以上割安になりますので、80%程度の目標純度をご検討ください。
逆に95%を超える純度保証を希望されますと合成実績のない特注化合物ではリスクが大変大きく、見積価格の大幅UPになります。
・見積書記載の純度を目標とします。100㎎以下の小スケールでは安定性に問題、異性体などの分離困難な不純物混在等、一部の例外を除き精製が特に困難でない場合は通常、98~99%以上で提出します。
逆に不純物除去が困難で目標純度達成が難しい場合は不純物込で一旦納品、全額請求で清算させていただき、追加精製ついて別途ご相談となります。
純度は備考欄に特に記載がない限り弊社の分析装置を用い弊社で設定した分析条件で得られたクロマトグラムの面積比で純度を判断いたします。絶対純度、含量、モル%、重量%いずれでもありませんのでご注意ください。
・目的物の安定性起因で高純度品が得られないことが判明した場合目標純度未満で提出、満額清算させていただき、安定性試験、安定な条件での精製条件確立等につきましては別件としてご相談させてください。
こちらも参照願います。
安定性起因で精製困難と弊社が判断し未精製で提出させていただく場合がございます。
以下の基準で測定、純度を判断します。
・いずれの場合もHPLC分析クロマトグラムの各ピーク面積比またはTLC分析のスポット目視のことを指し、含量や正確な意味での純度ではありませんのでご注意ください。含量測定、絶対純度の測定、保証等は弊社で対応可能ですが別途ご相談です。
・見積書記載以上のスペックをご発注後にご希望頂く場合は一旦契約完了請求後、別途費用で別途対応とさせていただきます。見積書記載の目標純度を既にクリアしているロット品につき更に純度向上を目的として再精製をご希望される場合、技術的に可能と弊社が判断する場合のみ追加費用で対応させていただきます。
・化合物の性状につきましては備考欄に特別な記載がない限り保証外とし、文献記述では固体、粉末でもシロップまたは液体で納品する場合があります。加温、冷却、長時間減圧処理、超音波処理等、詳細な検討で結晶化する場合が多いですが手間と時間を要する場合があり別途費用での対応とさせていただきます。
・液体またはシロップの場合、減圧乾燥で溶媒の完全除去が困難で数%程度残存することがあります。
・微量の不純物起因で着色する場合があります。スペックは試験成績書記載のクロマトグラム純度のみで判断します。臭気も同様です。脱臭、脱色等の処理につきましては別途費用で対応させていただきます。
・無機物が混入しない精製法を通常選択しますが特に高極性化合物では除去困難な場合があります。微量の無機物混入が不可のお客様はご発注前にお申し付けください。
・無機物以外でも混入不可の成分がありましたら必ずお問い合わせ時にお申し付けください。
・特にHPLC精製となると、カラムを繰り返し使用しますので通常、あり得ないような微量成分が混入する可能性はゼロではありません。この場合は専用の新品カラム購入で対応致します。
・リピート合成の場合、前回と同等品質を原則保証していません。前回品と同等の品質、性状等であることの保証、前回品との比較分析データの報告を必要とされる旨、ご発注前にお申し付け頂いた場合のみ対応いたします。必要とされる保証程度、作業内容次第で価格納期が大幅に変わります。
・他社品、市販品との比較分析につきましても上記と同様の対応となります。
・光学純度について:不斉合成の工程を含む最終物、中間体合成につきましては個別ご相談でお願いします。
市販の光学活性原料を用いて合成の場合、見積書備考欄に特に記述がない限り原料の異性体混入、合成途中のラセミ化可能性は考慮せず原料、中間体、提出品の光学純度確認一切を省略し、光学純度を保証外とさせていただきます。
論文に記載されるような作業手順であればラセミ化の起こる可能性は低いと考えられますが、弊社考察でラセミ化の懸念が生じるようでしたらその都度ご報告、ご相談させていただきます。
市販原料起因による異性体混入については弊社で除去可能であれば取り組みますが難しい場合、保証外(混入した状態で納品)とさせてください。
市販原料、最終物、中間体の光学純度確認を必要とされる場合は専門分析会社へのご相談、ご依頼をお願い致します。分析サンプルを弊社から提出の必要が生じる可能性がありますので必ずお問い合わせ時にお申し付けください。ご発注後のお申し出はお断りいたします。
キラルカラム法ではシングルピークであることを示すだけでは不十分です。異性体を同じ合成法で別途合成し、S体とR体が別ピークになる分析条件を確立できて初めて光学純度が決定できます。
誘導体化法ではジアステレオマーに誘導するキラル試薬のR体、S体両方と反応させて2種類のジアステレオマーを作成し、それぞれが分離できるHPLC分析条件を見つけられれば光学純度の算出が可能ですが各異性体の分離が難しい、または分離できない場合が多いですので成功報酬でお請けすることはなかなか困難です。
市販品原料、中間体または最終物の光学純度確認や向上のための精製は別途費用で個別ご相談です。再結晶、キラルカラム法、誘導体化法等が考えられますがいずれも非常に煩雑な手間と長期間を要しますのでご注意ください。
・安定同位体は原料起因でノンラベル体が1~2%(場合によっては10%以上)混入することが通常です(Atom%が100%の製品はほとんどない)のでご了承ください。ノンラベル体の含量許容量がある、正確な含量を知りたい場合は見積価格に大きく影響致しますのでお問い合わせ時に必ずお申し付けください。
特に重水素化合物の場合、合成の過程で一部ノンラベルに置換する場合がかなり頻繁にあります。例えばPhenolのベンゼン環水素など、予想可能であれば見積段階でお伝えしますが予測困難な場合、ノンラベルの混入につきましては保証外・対応策については別件として別途ご相談でお願いいたします。
・異性体が含まれる可能性のある原料につきましてはお客様からのご提供、弊社手配いずれの場合も原料起因の不純物発生は保証外とさせていただきます。原料中に含まれる異性体が起因して提出品の純度に問題があり、再合成の必要が生じる場合は別途費用のご相談となります。
・糖類の合成でα、βが生成する可能性がある場合、参考文献の記述を信用して詳細な構造解析を省略します。α/β比率は詳細な構造解析により可能と思われますが別途相談でお願いいたします。
・化合物の性能等につきましては見積書備考欄に特に記載が無い限り弊社の責任外とさせていただきます。下記理由による検収拒否はご容赦ください。以下に例を示しますが、それらに限定するものではありません。
納品物を用いて反応を試みたがうまくいかない。→ご発注までにご相談いただけましたら合成品の一部を用いてモデル実験を実施いたします。
弊社から納品したモノマーを用いて重合しようとしたがうまく重合しない。
期待したよりも溶解性が悪い。
潮解性、結晶の色、形が期待、予想と異なる。
期待した活性が認められない。
合成直後に納品物の分析結果をご報告しお客様のご了解を頂いた後に納品、発送しておりますが検収前納品物に何らかの欠陥があることが判明した場合、クロマトグラムで検収出来ない不純物の存在が明らかになった場合等、再精製・代替品の合成に取り組みますので別途ご相談させてください。
・検収ご連絡を頂いた後に納品物の純度についてご不明な点が生じ、お問い合わせいただいた場合はすぐに対処いたします。
検討の結果納品物の純度には問題なく保存中の分解、ご使用時の操作等起因の純度低下と証明された場合は弊社での確認実験に要した費用全額または一部別途ご請求する場合がございます。
弊社では含量保証、含量測定はそれにかかる費用と手間を考慮し保証外、非対応とさせていただいております。ご発注前にご相談させて頂いた場合のみ、下記条件で対応させていただく場合がございます。
・q-NMRで確認可能な化合物に限り対応。
・合成と含量保証は別依頼で対応。合成完了時に合成費用の請求を行い、含量測定は別依頼で対応。
・含量保証については技術的に可能と思われる場合のみ別費用で再精製対応。
・提出分の一部を用いて分析。回収再精製費用は別途。
酸性または塩基性化合物について、備考欄に特に記載がない限りフリー体での提出を最初に検討しますが安定性、精製の容易さ等を考慮し精製の都合上何らかの塩で提出する場合がございます。また実際の納品物が見積書記載と異なる場合(フリー体→塩として提出、カウンターイオンの変更等)があります。 ご発注後に塩の種類をご指定または変更頂く場合は技術的に可能な限り対応いたしますが以下の3点ご了解ください。
①処理前の現品で一旦終了、清算させていただき別件ご依頼とさせていただきます。
②追加作業により大幅減量の可能性があります。不足分の追加合成は別途ご相談となります。
③追加作業による分解、純度低下等は保証外です。お客様のご希望によりその分解物除去のため再精製が必要となる場合は更に別途費用でご相談となります。目的物の安定性に関する弊社の考え方と対応につきましてもご一読願います。
・合成品の構造確認、純度確認手段として弊社ではLC/MSデータを多用しています。
目的物や不純物の性状により様々な付加イオンが検出され、狙ったピーク位置に複数の付加イオンが検出されたりバッファー変更でMSスペクトルが変化することで目的物であることを裏付ける強力な根拠になっています。
お手元のLC/MSデータのMSスペクトルで不明なシグナルが認められる場合はまず、下記一覧をご参照ください。
ESI positive | detected ions | Notes |
---|---|---|
[M+H]+ | M+1 | amines |
[M+NH4]+ | M+18 | |
[M+Na]+ | M+23 | |
[M+K]+ | M+39 | |
[M+H+NEt3]+ | M+102 | in triethylammonium buffer |
[M+H+CH3CN]+ | M+42 | |
[M+NH4+CH3CN]+ | M+59 | |
[M+Na+CH3CN]+ | M+64 | phenol origoethoxylates |
[2M+H]+ | 2M+1 | |
[2M+NH4]+ | 2M+18 | |
[1/2M+NH4]+ | 1/2M+18 | PEG analogs, approx. >1,000 MW compounds |
[1/nM+NH4]+ | 1/nM+18 | high MW PEG analogs |
[2M+Na]+ | 2M+23 | |
[M+2H]2+ | M+2 | |
[M+2Na]2+ | M+46 | |
[M]+ | M | quaternary ammonium |
[(1/n)M+Y]+ | Y=(18n-17)/n (1≦n) | NH2-PEG-R Y=(1+18×(n-1))/n |
[(1/n)M+Y]+ | Y=(18n-34)/n (2≦n) | NH2-PEG-NH2 Y=(1+1+18×(n-2))/n |
ESI negative | detected ions | Notes |
[M-H]- | M-1 | carboxylic acid |
[M+Cl]- | M+35, M+37 | |
[M+HCOO]- | M+45 | in formic acid buffer |
[M+CH3COO]- | M+59 | in acetic acid buffer |
[M+CF3COO]- | M+113 | in TFA buffer |
[2M-H]- | 2M-1 | |
[1/2M-H]- | 1/2M-1 | |
[2M+HCOO]- | 2M+45 | in formic acid buffer |