2025/10/08
相見積について
”相見積”にはいくつかパターンが考えられます。
価格を比較してとにかく安いところから買いたい。
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過去の実績から受注率が限りなくゼロに近いです。弊社は徒労に終わるに違いない相見積案件の辞退を希望いたします。
相見積の多くは受託合成・特注合成の相場を知らずに軽い気持ちで複数の取引先に見積依頼を出し、いずれも想像以上に高額なことに愕然として、または予算取りできず結局どこにも発注しなかった、というオチと想像しています。
もう一つの典型パターンは出来レース。単に当て馬に使われるだけ。弊社でも過去に幾度か受注できた側の出来レースを経験しています。お客様のご要望ですので仕方がありませんが、断られた他社の気持ちを考えると少なくとも心地よいものではありません。
海外メーカーとの相見積もずっと以前から複数回経験していますが受注経験はなく、受注の可能性全くのゼロと考えております。
特注合成は一般試薬や市販品と異なり見積作業に多大な時間と労力を要します。
合成法が既知の化合物でも数時間から数日。合成法のない新規化合物になると調査、文献取り寄せ、合成法設定、見積書作成までに1か月以上かかることもざらにあります。気になる工程があり予備検討やモデル実験を踏まえて見積するケースもあります。これが受注にならなければ全て徒労に終わります。
ユーザー様または代理店様が複数社の受託合成会社に打診されている場合、弊社はとりあえず辞退いたします。全ての他社に断られた後に再度弊社までお問い合わせいただきますよう、お願いいたします。
弊社では他社のギブアップ合成の成功例が多数ありますので必ずお役に立てると考えますがその際、ご希望価格またはご予算上限をご提示願います。
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価格のみで決める相見積方式は、技術的な理由を差し引いても受託合成ビジネスに関しては最適な方法ではないという考え方です。
相見積を辞退したい技術的理由(蛇足です。)
特注合成では受注になってから原料を手配しますが、難易度の高い合成に限って原料価格が大きく変わっていたり製造中止になっていることがしばしばあります。原料入手不可で合成ルート、価格の大幅変更を余儀なくされることがあります。
この場合、振り出しに戻るのでしょうか?大抵は委託先を変更せずに価格が変わるか(相見積の意味が無くなります)、委託先がそのリスクを背負う(弊社でも頻繁にありますが、大幅変更の場合は無理せず再見積をお願いしています)、のどちらかでしょう。
振り出しに戻ったケースは弊社で過去に複数回経験しています。他社に委託したが結局出来なくてギブアップされた、というのが理由です(弊社ではそれらすべて合成に成功しています)。これで数か月から1年以上のタイムロスが生じることになります。
1年遅れでリスタートできればまだマシな方で、多くはそのプロジェクト自体が中止または方針の大幅変更・その化合物の合成は諦め、になってしまっていると想像します。非常に勿体ないですよね。
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合成経験のある他社、あるいは海外メーカーの商品価格が高いので、ということで弊社にお問い合わせ頂くのは有難いことではあるのですが、より低価格を弊社がお出しできる道理がありません。
初めての合成では多くの時間とノウハウをつぎ込みます。1回合成できてしまえば2度目以降は合成出来ないリスクが激減しますので当然、価格に反映されます。
合成法確立済みと、その検討費用込みの価格を比較検討すること自体、無駄では?というのが私共の見解です。
価格ではなく、一日も早く手に入るところに依頼したい。
対応いたしますが、低受注率はあまり変わらないのが現実です。
臨機応変を標榜している弊社ですので、お急ぎのケースには最短納期でお役に立てる自信はあります。
しかし残念ながら”納期最優先”と言いつつ結局、金額で決められるケースがほとんどでした。
受託合成では”納期”もいい加減なもので、お客様から納期優先と言われれば非現実的な納期で見積を出したり、すぐできます、と何とでも言えますし原料が入荷しないとか、予想外のトラブルが起こったとか、遅れた際の言い訳はいくらでもできます。
価格と同様、納期を発注先の判断基準にすることも合理性に欠けると私たちは考えます。
弊社では納期遅れでお客様にご迷惑をお掛けすることを何としても避けたい思いから、出来もしない納期で見積ご提示することはありませんし、むしろ万一のトラブルも吸収できるよう、余裕のある納期をご提示した上で納期よりも大幅に早い納品に全力で取り組み、結果を出しています。遅れる要因が予想できる場合は見積提示の段階で出来るだけ具体的且つ詳細にお知らせするようにしています。
どこでもよいのでこんな化合物を合成できるところを探している。
対応させていただきます。小スケールの有機合成であれば弊社は必ずお役に立てると考えております。
下記順番で対応させてください。
①目的物の構造、必要量と共に相見積の旨、必ずお知らせください。
②合成可否のみお知らせいたします。この段階では概算もご提示しません。
③他社と交渉頂き、全て断られた後に弊社までご連絡ください。詳細お伺いいたします。
弊社のスタンスは、”他社で出来るものはそちらにどうぞ”です。ご理解ください。
④概算を弊社からご提示→見積書作成ご指示
⑤見積書ご提示(代理店様経由、ユーザー様直接等、ご指定方式に対応)
⑥発注ご連絡(ユーザー様から直接、代理店様経由どちらでも)
新成化学に委託することは決めているが直接取引ではなく手数料の安い代理店経由で購入したい。
その旨お申し付けいただけましたら対応させていただきます。
弊社と直接取引の見積金額に仲介手数料が上乗せになりますので予めご了承ください。
同じサービス内容にも関わらず各社仲介手数料の違いが極端に大きい(弊社価格の2%程度から100%超まで)ことを過去に複数回実体験しましたのでユーザー様にとっては致し方ない措置と思います。
お支払いは代理店経由でも技術的な相談はユーザー様から弊社に直接頂きますよう、お願いします。伝言ゲームでは時間と情報のロスが大きくなります。
新成化学に委託したいが委託先に発注元を知られたくないので代理店を間に入れたい。
価格比較相見積と誤解して即答、お断りしてしまいますので、最初のお問い合わせ時に事情を必ずお伝え頂きますよう、お願いいたします。
秘密保持契約で打開できるようであれば是非弊社との直接お取引をご検討ください。
個人的には新成化学へ指名発注したいが所属部署の制度上、相見積を義務付けられている。
事情を最初にお伝えいただけましたら積極対応させていただきます。
”特命理由書”のような文書提出でスムーズに事が運ぶようでしたら弊社でできる限り文言を考えご提案させていただきます。
あとは弊社へのご発注を祈るしかありません。
他のパターン
個別ご相談させてください。特殊事情につきましては必ず最初にお知らせ下さい。信頼関係を築くためには大変大切と考えます。
弊社の考え方は上記でご理解頂けたと期待致します。
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