分析ご依頼前に必ずご確認・ご検討ください。

2018/08/29

弊社では下記動機により特注合成とは別メニューで分析のみのご依頼をお受けしています。
・有機合成で日常的に使用している装置を活用して安価な分析をご提供できると考えた。
・特注合成をご利用いただいているお客様から頻繁にお問い合わせいただく分析のみのお問い合わせにお応えしたい。
・初めてのお客様については弊社の分析技術をまず評価頂き、特注合成、精製のお問い合わせに結び付けたい。
・分析そのもので利益を出そうとは考えない。

ここ数年、分析専門会社でなければ対応困難な高度な専門性と最新機器を要する分析のお問い合わせが急増してきた事情から現在、下記対応に限定させていただいています。
・HPLC、LC/MS、GC/MS、TLC 単純分析のみの対応です。
・HPLC、LC/MS 分析で使用する溶媒は弊社常備品に限り、特殊溶媒の使用は原則対応いたしません。
・弊社所有のカラムで対応できる範囲に限定いたします。所有カラムはお問い合わせください。
・構造解析、同定は対応いたしません。指定のクロマトグラムとスペクトルをご報告するのみです。
・微量分析、定量分析には対応いたしません。
・構造に関する情報が全くない未知化合物のみで構成されるサンプルの分析はお断りします。
・LC-MS/MS 分析は分析条件をご提示いただいた場合のみ対応いたします。
・天然物からの抽出品は前処理済みのサンプルのみ(そのまま分析に供することが可能)対応いたします。
前処理を必要とされる場合は別途受託合成、精製案件として承ります。
特注合成のご依頼に関わる分析につきましては上記に限定せず外部委託も含め必要に応じて可能な限り実施致します。

初めてのお客様には「お任せお試しセット分析」をお勧めします。
・まずは分析サンプルを1 つだけお送りください。
・適当な分析手法をLC/MS、GC/MS、TLC の中から弊社で選択し、1 回分析してご報告します。
・ご報告データで必要最低限の情報が得られたと感じられたら 5,000 円(税抜き)お支払い願います。
見積書、請求書を別途お送りいたします。有用なデータではなかったとご判断される場合は一切ご請求いたしません。
・追加分析をご希望頂く場合は別途ご相談です。


*見積書、契約書等なしで取り急ぎ分析です。分析前にメールのやり取りや打ち合わせ、書類提出が必要なケースはお任せお試しセット分析の対象外となります。
*特定成分の単離精製、同定を目的とされる場合は特にお勧めいたします。
*お任せお試しセットでのご依頼は初回お問い合わせ時のみです。
*お任せお試しセットでは分析法をご指定できません。分析担当者の判断で1つまたは複数手法で分析します。
*お送りいただくサンプルの必要量は溶液であれば100μL~1mlで濃度100~1,000ppm程度、粉末であれば0.1~1㎎程度です。
*適切な分析法を選択するために必要な情報を分析サンプルに添付願います。全く未知の構造をLC/MS、GC/MS、TLCのみで特定することはほとんど不可能ですのでご理解いただいた上でご依頼願います。
・分析の目的概要(簡単で結構です)
・含有が予想される化合物の構造式またはCAS番号
・その他分析法選択に役立つと思われる情報何でも
・分析サンプルが溶液の場合は溶媒名と各成分の大まかな含量濃度(予想で結構です)、粉末の場合は溶解する溶媒
・LC/MS 分析では分子量50~2,000までが設定可能です
*お送りいただくサンプルの性状次第では分析をお断りする場合があります。
御指定溶媒に難溶、お送りいただいた溶液に不溶物が認められる、容器からの取り出し困難等
*お預かりするサンプルはご返却いたしません。
*上記必要量を大幅に超え廃棄に費用を要する大量サンプルをお送りいただいた場合は分析対応せず着払いでご返却致します。
*速報データをPDFファイルでお送りします。試験成績書の形式を取らず生データ送付です。
*お任せお試しセットでは原則再解析、再分析には対応いたしません。別途費用でご相談です。

 1.納期について

1-1 通常はサンプル到着翌日までに分析開始いたしますが状況により納期ぎりぎりあるいはご報告が遅くなる可能性もございます。

1-2 下記のケースでは特急料金で対応させて頂いておりますのでご発注前にご指示いただきますようお願いいたします。
① サンプル到着当日(サンプル午前中到着)または翌日(午後到着)までの報告厳守の場合(ルーチン分析のみ):通常料金の100%増し
② 見積でご提示した納期、通常納期よりも早い報告をご希望の場合:通常料金の50%増し
③ 別案件を遅らせて対応する必要がある場合:100%増し。実施前に確認致します。

1-3 下記要因により特急ご依頼でもご報告が遅れる場合がございます。
① 装置トラブル起因・・・トラブル状況をご報告いたします。装置が復旧次第分析開始いたします。この場合は通常納期(特急割増なし)での精算となります。 追加サンプルが必要な場合はご提供をお願いします。
② サンプル到着時間が遅れた場合:到着次第分析開始しますが、事前準備が間に合わず翌日分析開始になる場合があります。
③ 試験成績書作成に時間を要する場合はご指定納期までに生データを速報し、別途改めて正式版をご報告いたします。

 2.ご提供いただくサンプルについて

2-1 お送りいただく分析サンプルについてお願い。
①GC 分析用サンプル:不揮発性成分が含まれる場合、そのまま分析するとゴーストピークの原因になります。それらの除去前処理済みのものをご提供願います。
②HPLC 分析用サンプル:同様の理由によりカラムから溶出しない成分を除去した上でお送りください。不溶物、高分子物質(ODS順相)、タンパク(ODS、順相)等。
③サンプル起因でカラムへの詰まり、ゴーストピークが起こる場合は復旧のための追加費用をご請求する可 能性がございます。

2-2 サンプルの取り扱いについて
弊社ではお預かりしたサンプルを分析実施まで家庭用冷凍庫保管致します。
① 保管中の分解につきましては責任を負えません。
② オートサンプラーを使用しますが弊社装置には冷却機能がありません。サンプルセットから分析までに室温で30分~数時間放置することになります。分析までの分解等が気になる場合はオートサンプラーを使わないマニュアルインジェクション、カラムを通さないフローインジェクション等の対処がございますので事前にご相談ください。
③お送りいただくサンプルの一部を分析に供します。1 回分のサンプル量のみをご提供いただき、装置トラブル等でサンプルが失われた場合は追加サンプルの送付をお願いいたします。
④分析終了、ご報告後2 日以内に残りのサンプルを廃棄いたします。
⑤必要量を大幅に上回る多量のサンプルをお送りいただき廃棄処理が面倒な場合は着払いでご返却いたします。

 3.再分析への対応について

3-1 ご指定いただいた濃度で分析の結果、濃度、打ち込み量が適切ではなく再分析を実施する場合は有償で追加分析対応となります。

3-2 濃度のご指定がない場合は弊社で適当に希釈して分析いたします。ご報告したデータでは打ち込み量が適当ではないとのご判断で再分析をご希望の場合は有償対応となります。

3-3 見積書記載以外のデータ報告、解析データ報告は追加費用となります。再解析も有償対応となります。 ご提示の見積では必要最小限の分析回数で見積金額を算出しています。
例:1回分析してみて、濃度が薄すぎてS/N比が十分でないためインジェクト量を増やして再分析・・・2回分の分析費用をご請求致します。濃縮、希釈その他の処理が必要となる場合は各作業に応じた追加費用がかかります。
例:2サンプル連続分析ではなく1つ目のサンプルを分析したところで考察し、1回目の結果を踏まえて別途2サンプル目を分析した場合:セットアップ費用が1回分追加となります。

 4.完了処理、ご請求について

4-1 分析完了、ご報告後は2日以内に原料、残液を廃棄いたします。
結果のご判断に時間のかかる場合、再分析追加分析をご検討される場合は、ご報告時にお知らせください。次のご指示をいただくまで原料をお預かりします。
その後1ヶ月間ご指示をいただけない場合は、一旦完了とさせていただき原料を廃棄、請求処理に入ります。

4-2 ご連絡がない場合は、完了後報告から2日目以降に請求書を送付し、一旦ご依頼完了とします。
完了後に追加分析等ご依頼の場合は、別依頼として改めてお問い合わせください。

 5.少しでも費用を抑えるために

5-1 弊社ではGCよりもGC/MS、GC・GC/MSよりもHPLC・LC/MS、HPLCよりもLC/MSの使用頻度が高いため、その分割安の価格設定にしています。

5-2 弊社では日常的に合成に使用している装置を流用するため割安の価格設定が可能となります。特殊カラム、特殊条件による分析は新たな分析メソッドの作成が必要になったり、装置を一旦止めて再起動しなければならず余計な手間がかかることが理由で大幅に割高となりますので、可能な限り弊社常設条件での分析をお勧めいたします。

5-3 LC/MSにはMSデータだけでなくUVクロマトグラムも添付されますので、UVデータしか得られないHPLCよりもお得です。

5-4 HPLCカラムとLC/MSカラムではサイズが異なり(HPLCの方が太くて長い)、分離が多少変わります。厳しい分離を必要とされる場合はHPLC分析をお勧めします。

5-5 GCとHPLCの選択:非極性物質はGC、極性物質はHPLCを選択します。

5-6 水で分解する化合物は逆相HPLC以外を選択します。GC、順相HPLCが選択肢です。

5-7 熱分解する化合物はGC以外を選択します。

5-8 定量性を重視する場合はMSよりも定量性に勝るFID、UVをお勧めします。

5-9 MSご指定の場合はTICよりもSIMをお勧めします。感度も定量性も勝ります。

5-10 ご提供いただくサンプル量について:通常1mg程度(固体)、100μL(液体)あれば数回分析可能ですが、5mg/1ml以上ご提供が可能でしたらお願いします。

5-11 弊社オートサンプラーは10μL程度のインジェクト量が最大です。サンプル濃度が薄い場合は予め濃縮頂いたものをご提供いただくか、有償で濃縮に対応いたします。

5-12 見積に前処理が含まれず、お送りいただいたサンプルに不溶物が認められる等で前処理が必要な場合は追加費用が発生しますので不溶物は除去した上でお送りください。

5-13 お送りいただいたサンプルのうち1μLまたはご指定の量をインジェクト致します。この分析でサンプル濃度が濃すぎたり薄すぎたりして適当なピークハイトが得られない場合の再分析は別途費用となりますので、適切な濃度に調製した溶液をお送りいただきますよう、お願いいたします。HPLC・LC/MSでは100~1000ppm程度、GCでは10ppm程度、GC/MSでは10~100ppm程度で丁度良いことが多いですが、これに当てはまらないケースがございます。溶液ではなくNeatでサンプルをお送りいただき弊社で溶液調製する場合は前処理費用について別途ご相談です。

5-14 TLC分取はUV吸収のある成分で、展開位置(Rf値)のコントロールが難しい(トップまたは原点付近から動かせない)ケースでの選択をお勧めします。分離手法としましてはTLC以外のシリカゲルカラム、HPLC分取も選択肢に入りますのでご検討ください。プレートを発色剤で処理すると化合物の構造が変わってしまいますので同一のプレートを2枚同一条件で展開し、一枚だけ発色処理し、もう一枚のプレートで同じ位置に相当するシリカゲルをかき取り、抽出、濃縮致します。目的物スポットの近くに別の成分が認められる場合は完全に分離せず、一部混ざってしまう可能性がありますのでご注意ください。この場合の再分取は別途費用となります。