蛍光標識化合物合成のご依頼を創業以来、数多く頂いてきました。市販の蛍光試薬から誘導は勿論、市販で入手困難な骨格の合成まで対応致します。
弊社のこれまでの合成化合物を下記ご紹介いたします(特注合成の秘密保持契約対象外の化合物のみ)。
構造式をクリックで一覧を表示します。
Rhodamine/Fluorescein | Cyanine | Bodipy |
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Dansyl | Pyranine | Coumarine |
Acridine/Carbopyronin | Oxazine/Thioxazine | Phycocianine |
その他蛍光物質 |
特徴的な励起波長や蛍光波長(ストークスシフト)、pH依存性が低い、蛍光強度が高い、光安定性が高い、溶解性(水溶性)などが性能指標のようです。
1波長で複数の蛍光波長の色素を励起できる性質があると特殊な使い方が出来るようです。
決まった構造の合成については弊社は専門家を自負していますが、蛍光色素の性能と構造の関連については十分理解できているとは言えません。鋭意勉強中です。
Rhodamine系はFluoresceinとOをNに置換したRhodamineに分かれますが、後者の方がPH依存性が低く、光安定性が高いそうです。この改良版のAlexa、HiLyte Fluorなどが近年、良く用いられているようです。
Cyanine系:スルホン酸を有することで高水溶性、蛍光減退の抑制効果があるのが特徴です。
BODIPY系:pH、溶媒の種類を問わず吸収波長、発光波長が共に安定していることが特徴です。またストークスシフトが他と比べて大きく、鋭いスペクトルが有意性となっています。
タンパク、抗体などの可視化の有効な手段として色素標識、蛍光標識が頻繁に用いられています。
大抵は色素化合物のNHS活性化体とアミノ基を反応させるだけという簡単な操作で実現できますが、専用設備と技術を要するため合成や精製が難しいということで弊社へのご依頼件数が増加傾向にあります。
色素標識化合物の純度に問題:安定性に問題があったり異性体混合物のこともあり、生成物の同定が困難。
標識する化合物や色素標識化合物に反応点が複数あり、反応の制御が難しい。
アミド化以外の方法で結合させたい(Michael付加、Click、エステル化等)が、レシピ通りに作業してもうまくいかない。
市販で入手できない構造の蛍光標識化合物を短期間に欲しいが外部委託しても長い納期がかかってしまう。
色素標識体に溶解性の高いリンカー、スペーサーを挿入したい。
親水性を高めた構造が欲しい。
色素標識化合物の末端を別の官能基に置換したい。
弊社ではここ数年蛍光標識のご依頼が急増しており、様々なご要望のお応えするべく新しい構造の蛍光色素化合物の開発に力を入れています。
弊社で合成実績があっても秘密保持契約のために公開できない化合物も多数あります。
一覧にない場合でもご希望の構造がございましたらお気軽にお問い合わせください。
海外メーカーで市販品はあるが高価または入手手続きが面倒
市販の蛍光試薬の改良構造(ここをこういう風に替えたら)であれば使いやすい。
蛍光物質に求められる性能(水溶性を高めたい、励起波長を長波長側にシフトしたい、など)
汎用性のある構造についてご提案に沿った構造の蛍光標識化合物が初めて合成できた場合、最少量(0.1㎎~1㎎程度)を評価用として無償提供させて頂く場合がございます。
蛍光標識化合物を用いて誘導体化(例えばNHS化合物とアミド結合形成)する場合、新規でなくても弊社HP一覧の化合物(弊社開発品)につきましては原料費をゼロ(無償提供)させて頂く場合がございますので併せてご検討ください。
新成化学では親水性リンカーとして有用性の高いポリエチレングリコール誘導体の開発に15年以上取り組んでいます。色素標識体にアミノ基、カルボキシル基などの官能基を付与するだけでなく両親媒性のスペーサーの役割としてポリエチレングリコールを挿入した構造の合成技術があります。
タンパクなどの標識化合物に直接アミド結合(A)が最も簡単ですが、色素化合物との距離が近すぎて活性に影響を及ぼすことがあり(B)のようにアルキルのスペーサー、リンカーを挿入させる方法が一般的です。
しかし疎水性のリンカーでは生体内でアグリゲーションを起こしてしまいスペーサーの役割を果たさないだけでなく、非特異的吸着の原因となります。
そこで(C)に示すような親水性のPEGを末端に付与したり、
アルキルスペーサーを省略して直接PEGを挿入する方法(D)を弊社ではご提案可能です。PEGリンカーの長さは目的に応じ繰り返し単位3程度から30以上の非常に長い構造まで対応可能です。末端の結合方式もアミド結合だけでなく
マレイミド、クリック、エステル、エーテル結合等、種々に対応可能です。
蛍光物質にPEGを挿入または結合することにより親水性が大きく改善されます。
これまでの合成実績の幾つかをご紹介します。(構造式を)
この成果によりCyanine系の蛍光色素に任意の長さのPEGをアミド結合などを介さず直接結合できる目途が立ちました。
より長いPEG鎖の結合、カルボン酸以外の末端構造の合成も検討を進めています。一般の受託合成、特注合成とは異なる価格帯でご希望の構造に対応致しますのでお気軽にお問い合わせください。
Cyanine系蛍光色素について:2021年から少し力を入れています。
キーワード:蛍光標識化合物 蛍光標識試薬 蛍光物質 蛍光色素化合物 蛍光ラベル 蛍光ラベリング 分子イメージング ストークスシフト 超高感度分析 フルオレセイン(Fluorescein) ローダミン(Rhodamine) BODIPY シアニン(Cyanin) フィコシアニン FITC リンカー
弊社合成品の一部は蛍光スペクトルを測定しておらず、蛍光有無が確認できていません。新規構造につきましてはお問い合わせいただいてから蛍光有無を確認することになりますので予めご了承ください。お客様のお手元でご確認頂けるようでしたら微量を無償提供させて頂きます。