単一構造高分子ポリエチレングリコール(PEG)


分子量分布のない単一構造、高純度ポリエチレングリコール(PEG)誘導体をご提供致します。

一般に市販で入手可能なポリエチレングリコールはエチレンオキシド等のモノマーを重合し得られたポリマー 混合物を大まかな分子量ごとに分離した混合物です。分子量の近い構造をそれぞれ分離することは分子量増加と共に不可能 に近くなります。そのため分子量1,000を超える高分子PEGには分子量分布があり、 ±10~30%(多分散度:PDI=1.02~2)程度の分子量バラつきがあります。
その平均分子量を商品名とするのが一般的で、例えばPEG1400(平均分子量1,400)、 PEG2000(平均分子量2,000)のような記述になります。
当社品はこれらとは合成法が全く異なり単一構造です。



当社品と市販品の比較


当社品は単一品のため上記MSスペクトルデータでは分子量1,361に相当するシグナル(1/2M Ammonium付加イオン:m/z=698)のみが検出され、 繰り返し単位の異なる不純物シグナルは認められません。
一方、一般に入手可能なPEG誘導体は様々な分子量の混合物であることがMSスペクトルデータで確認できます。
エチレンオキシド1単位が44MSですので1/2MS領域ではm/z=22の等間隔にシグナルが観測されます。
MSスペクトルより市販品は分子量範囲が約1,000から2,000に及ぶことが明らかで主成分であるTos-PEG28-OH含量はせいぜい数%に過ぎません。
”高純度”が謳い文句でも分子量分布が多少狭いだけで、繰り返し単位の異なる不純物を含む混合物です。 (繰り返し単位20前後:分子量1,000以下でもPDI=1.00001が限界   Polym.Chem.,2014,5,694)

PDI:1.0以上の数値で、1.0に近いほど(コンマ以下のゼロが多いほど)シャープな分子量分布となります。