当社品と市販品の比較
当社品は単一品のため上記MSスペクトルデータでは分子量1,361に相当するシグナル(1/2M Ammonium付加イオン:m/z=698)のみが検出され、
繰り返し単位の異なる不純物シグナルは認められません。
一方、一般に入手可能なPEG誘導体は様々な分子量の混合物であることがMSスペクトルデータで確認できます。
エチレンオキシド1単位が44MSですので1/2MS領域ではm/z=22の等間隔にシグナルが観測されます。
MSスペクトルより市販品は分子量範囲が約1,000から2,000に及ぶことが明らかで主成分であるTos-PEG28-OH含量はせいぜい数%に過ぎません。
”高純度”が謳い文句でも分子量分布が多少狭いだけで、繰り返し単位の異なる不純物を含む混合物です。
(繰り返し単位20前後:分子量1,000以下でもPDI=1.00001が限界 Polym.Chem.,2014,5,694)
PDI:1.0以上の数値で、1.0に近いほど(コンマ以下のゼロが多いほど)シャープな分子量分布となります。
分子量500以下の低分子でも一般品には繰り返し数の異なり、極性が近い不純物が含まれていて単離精製は容易ではありません。(下図)