リンカー、スペーサー、架橋剤について
リンカーのそれぞれの特徴、留意点について下記ご紹介いたします。
アルキル
- 繰り返し単位:メチレン(-CH2)-
- 安定性:◎リンカー部分が切れてしまう心配はありません。
- 低分子市販品入手の容易さ:◎ 比較的短い構造(n=18:リンカー部分のMW=252程度まで)であれば両末端の様々な官能基の市販品が比較的安価に入手できます。
- 高分子市販品入手の容易さ:× n=20を超える市販品は見当たりません。
- 新成化学での繰り返し単位の延長対応:×Wittig等のC-C結合反応を駆使すれば出来なくはないですが、極めて低極性のため高分子になるほど精製に困難を極めると予想され、非常に高額になります。
ポイント:
- nが増えると市販の出発原料には枝分かれ構造が不純物として含まれる場合がありますが、これらを除去することは大変難しくなります。
- 繰り返し単位nの延長は容易ではありません。
- 疎水性が高くnの増加に伴い水溶性が大きく低下します。水系では疎水結合に起因したアグリゲーションが生じるためリンカーとしての役割を果たさなくなると言われています。脂溶性のリン脂質に入り込みやすい性質も多く利用されています。